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事務局ニュース【NO.2014-131】

2014年度第2回GDHDパーティのご案内

日 時:2014年11月12日(水)18時30分〜20時30分 

場 所:学士会館 (千代田区神田錦町3−28) 203号室

参加費:¥5,000 (お食事、お飲み物代含む) 但健康医療開発機構会員は¥3,000

主 催:横山禎徳 社会システムデザイナー・健康医療開発機構 理事

キー・プレゼンテーション:渡辺賢治先生(慶應義塾大学環境情報学部 教授, 医学部兼任教授、慶應義塾大学院政策・メディア研究科 教授)

【タイトル及び概要】ー「日本型医療のあり方を考える」ー

日本はこの数十年欧米型社会を目指し、ずっと追いかけてきた。医療においても然りである。明治政府は医師のエリートをこぞってドイツに送り、 ドイツ医学を吸収してきた。戦後はドイツが米国に変わったものの、欧米に対する憧憬は変わりなかった。

1998年、オランダのライデンで医史学に関する学会があった際、私は江戸期における日本の養生について述べ、同時に日本漢方が解体新書の出版以来衰退していったことを発表した。 それに対するドイツ、イギリス等の医師からの反応は意外なものであった。「日本人は何と馬鹿なんだ。解剖は単なる観察にしか過ぎない。 江戸期の日本の医療(漢方)は世界最高峰のものだったはずだ。」というのである。外から江戸期の日本の医療に対する評価を初めて聞き、驚いたことを忘れない。 衛生面でもヨーロッパで、糞便が窓から捨てられていた時代に江戸では下水道が整備され、非常に衛生的だったことを考えると、都市計画においてもわが国は非常に発達していたことが分かる。

今年「医は仁術点」をご覧になった方もおられるであろうが、江戸時代の医療は完全に中国から離脱し、独自の発達を遂げた上に、 さらに高価な薬が手に入らない一般民衆のために水戸光圀公が『救民妙薬』の編纂をさせ、身近な薬草を民間薬として広める活動をした。 時の権力者が民にも同じような医療を与えようという姿勢は世界どこでも類がなく、権力者と一般民衆が病という痛みを分かち合う「仁」の心を反映したものである。

奈良時代には光明皇后が貧しい民のための医療福祉施設である「施薬院」「悲田院」を設け、正倉院の貴重な薬を惜しげもなく分け与えている。

わが国の医療の歴史は世界に誇るべきものであり、そろそろ欧米型医療から脱却して、日本型医療を新たに作り直す時ではなかろうか?

超高齢社会を迎え、持続可能かどうか危ぶまれる現代だからこそ、考え直す必要があるように思う。

【渡辺賢治先生プロフィール】

1984年慶應義塾大学医学部卒業、内科学教室入局、1990年東海大学医学部免疫学教室助手、1991年米国スタンフォード大学遺伝学教室ポストドクトラルフェロー、 1995年北里研究所東洋医学総合研究所、2001年慶應義塾大学医学部東洋医学講座(現漢方医学センター)准教授、2012 奈良県立医大客員教授、 2013年慶應義塾大学環境情報学部教授・医学部兼担教授、慶應義塾大学院 政策・メディア研究科教授、現在に至る。

日本内科学会内科専門医、米国内科学会上級会員、日本東洋医学会専門医・指導医、 (財)日本漢方医学研究所理事、東亜医学協会理事、 日本医学教育学会代議員、社会保障審議会統計分科会ICD専門委員、WHO ICD改訂委員会委員、神奈川県および奈良県顧問

GDHDパーティへのお誘い

11月12日に今年度第2回目のGDHDパーティを開催します。自分に関係あるかどうかなどお考えにならず、是非ご参加ください。 このパーティは毎日の生活の中では出会うことのない人たちに出会う「場」です。お互いいろいろ話をし、ふーん、おもしろそうなことをやっている,おもしろい人、変わった人、魅力的な人がいるなと感じ、そういう人に今日は何人か出会ったなという気持ちを持ってお帰りいただきたいのです。

このパーティは健康医療開発機構が主催していますが、この機構のテーマはTR、すなわち、Translational Researchです。聞き慣れない方も多くおられるかもしれません。TRとは生命科学などの基礎的研究成果を健康医療分野で実用化するための橋渡しをする研究のことです。 TRが活発になるためには、研究者、医師、企業、行政、政策立案者,その他、諸々の幅広い分野の方々が分野を超えて機能的・有機的に協力できることが自然に出来上がっていくのが望ましいはずです。そのためには、まず、出会い、知り合うこと、それも、インフォーマルな場で知り合うことが大事ではないかと考えています。そのための「場」としてGDHDパーティを年に数回開催する予定です。

ところで、GDHDとは日本語です。「偶然の出会いは必然の出会い(Guzenno Deaiwa Hitsuzenno Deai)」の頭文字をとったものです。すなわち、何となく来てみたパーティで偶然知らない人に出会い、ちょっと話をして、記憶に残り、それが何かのことで再び出会い、何か予想もしなかった形でTRの活動につながっていくことを期待しています。 このパーティに参加するのに気が乗らないということもあるかもしれません。どうせ、いつものパーティのように知った同士が話をして終わりだろうし、こんな医療とか創薬の分野など自分に関係ないから知らない人ばかりだろう。そういう人と話をするのもおっくうだし・・・という風にお考えではないかと思います。

このGDHDパーティはそのようなパーティとは違います。知らない同士が自然に話をするような工夫が組み込まれています。何となく、知らない人と話をしてしまうようになっているのです。主催者側のメンバーは参加してくださる方々がこれまで会ったことのない人と話するきっかけを作る努力をしています。だから、出不精で知らない人と話をするのがおっくうな人こそ参加していただきたいのです。それによって新たな出会いが起こることを期待しています。

主宰者代表 横山禎徳

参加申し込み

参加ご希望の方は事務局 sanka@tr-networks.org までご連絡下さい。
特に申し込み受付のご連絡はいたしませんが、定員になり次第申込を締め切りますので、ご参加いただけない場合には、事務局よりご連絡いたします。

以上

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