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事務局ニュース【NO.2012-113】

【第6回シンポジウム『DNAの新世界―21世紀のあなたの健康と医療―』開催報告】

未来はとっくに始まっている!

第6回シンポジウムが『DNAの新世界―21世紀のあなたの健康と医療―』が、3月3日(日)、 東京白金台の東京大学医科学研究所講堂で開催され、医療従事者、研究者の方々に加え、メディア、企業、 さらに一般の方々も多く参加いただき、会場は満席となりました。

第1部は、東京大学医科学研究所教授である宮野悟氏(当機構・理事/事務局長)の基調講演が行われました。 生命の設計図が書かれているDNA情報を読み取る装置は一般にシークエンサーとよばれており、A, T, C, Gの文字で綴られるDNA情報 (ヒトの場合30億文字の情報)をコンピュータで読めるように取り出すことをシークエンスといいます。そして、半導体チップをつかう画期的な技術革新によって、 これまで主として生命や病気の『研究』のために行われてきたシークエンスが、臨床シークエンスの時代に入ろうとしており、2013年は、ビッグデータが誕生すると言われています。 がんをはじめとした患者さんの全DNA情報をシークエンスし、それを翻訳・解釈し、治療として『患者さんに戻す』ことが可能になってきたというわけです。 さて、個別化医療の推進のためには、研究開発から実用化まで一貫した基盤の整備が必要とされます。すなわち、バイオバンクの整備、 DNA情報や医療情報の統合およびデータベースの整備などが急務とされているのですが、この医療革命は人々に果実、すなわち病気の予防や早期発見、 いままでにない多様な治療法、個人個人に対応する個別化医療などが期待されています。 聴衆の皆さんの関心も高く、数々の質疑も提起されました。 資料のダウンロードにつきましては、下記よりアクセスしていただきますようお願いいたします。

 

【理事長挨拶】

武藤徹一郎氏((財)がん研究会・メディカルディレクター)

 

【基調講演】

「DNAの新世界〜21世紀のあなたの健康と医療」

宮野悟氏(東京大学医科学研究所・教授、健康医療開発機構・理事 事務局長)

[講演資料]

 

【パネルディスカッション】

第2部では、パネルディ・スカッションに先立ち、パネラーの方々のショート・プレゼンテーションがおこなわれました。

「ゲノムで健康はどう変わるか?」

宮田満氏(日経BP社特命編集委員)

「バイオバンクが実現する個別化医療」

久保充明氏(バイオバンクジャパン代表、理化学研究所ゲノム医科学研究センター・チームリーダー)

[講演資料]

「ゲノム医療はどこまで許されるか―トランス・サイエンスの観点から」

横山禎徳氏(潟Cグレック代表取締役 健康医療開発機構・理事)

[講演資料]

「遺伝子情報と健康情報の提供」

別所直哉氏(ヤフー株式会社執行役員兼政策企画本部長)

[講演資料]

「ゲノム医療と制度的課題」

江崎禎英氏(経済産業省生物化学産業課長)

[講演資料]

 

パネルディ・スカッションでは、シークエンス技術の革新がもたらす影響について、幅広い見地から意見が交わされました。 個別化医療への応用、健康医療ビジネスへの実用化に伴い、社会システムの中での位置づけ、また倫理面からはどのように社会的な合意を導くのかなど、 可能性が増大すればするほど、私たちの健康と医療との関わり合いへの考察を深めていくことが望まれます。

シンポジウムの開催につきましては、会員の皆さま並びに協賛いただきました法人の皆さまにはたいへんなご支援を賜り、 厚く御礼申し上げます。今回のシンポジウムでの議論が契機となり、当機構の活動にいっそうのご協力をいただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

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