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事務局ニュース【NO.2015-150】

第1回がん免疫療法の夕べ開催報告

「がん免疫療法の夕べ」シリーズ スタート

今年度、健康医療開発機構では、「がん免疫療法の夕べ」シリーズをスタートしました。

第1回は「変わり始めたがん免疫療法」と題し、8月17日、東京大学医科学研究所で開催しました。 当日は、慶応義塾大学医学部・河上裕先生(先端医科学研究所細胞情報研究部門・教授)の講演、「なぜ免疫なのか?そして何が変わって来たのか?」 として、 2013年サイエンス誌上で“Breakthrough of the Year”に取り上げられ、目覚ましい発展をとげているがん免疫療法の開発の経緯、その具体的な素晴らしさ、 医療現場の変化と期待、今後のさらなる開発研究のためのTR(橋渡し研究)の 必要性などについて話されました。 続いて、国立がん研究センター・山ア直也先生(中央病院 皮膚腫瘍科・科長)が「メラノーマ臨床へのインパクト」と題し、世界に先駆け日本でいち早く承認された、 これまできわめて治療の難しかったメラノーマ治療薬の目覚ましい治療実績について、講演されました。

第2回がん免疫療法の夕べ開催報告

10月27日には「医療現場でのがん免疫療法はいま?」と題し、第2回を開催しております。 (講演要旨については、以下ご参照ください。またがん免疫チェックポイント阻害剤の説明については、山田先生のお話をご覧ください)

各回、80〜100名におよぶ方々が参加され、多くの反響をいただいています。
 ・古くから免疫療法はあったが、最近脚光を浴びている現状を聞いて、期待している。
 ・免疫療法による治療とQOLの保持について関心がある。
 ・アカデミアの研究が、臨床で、がんで苦しまれている患者さんにとって光となるよう願っている。
 ・免疫サイクルがどこで止まっているのか、その見極めの大切さがわかった。

講演会につづく懇親会では、参加者の皆さんが講師の先生方と、さらに意見交換されており、この分野の関心の高さがうかがわれます。

がんペプチドワクチン臨床試験の現場から

久留米大学先端癌治療研究センターがんワクチン分子部門 教授 山田 亮先生【講演資料

【講演要旨】  

はじめに利益相反を開示いたします。現在、がんペプチドワクチン実用化のために設立した大学発ベンチャー、(株)グリーンペプタイドの取締役(非常勤)を兼務しております。

本日は久留米大学ですすめているがんペプチドワクチンについてご紹介します。  初めに、チェックポイント抗体について、簡単に復習しましょう。リンパ球の表面には、抗原に反応するアクセル役の分子とブレーキ役の分子があり、ブレーキ役の分子のことをチェックポイント分子といい、この相手方の分子は抗原提示細胞やがん細胞の表面にでています。リンパ球ががん細胞を認識して殺そうとする時、チェックポイント分子からのシグナルが入るとブレーキがかかってがんを殺さなくなります。現在、CTLA4、PDL1,PD1といった免疫チェックポイント分子に対する阻害抗体ががん医療の現場で注目されています。  こういった免疫チェックポイントに対する阻害抗体が、なぜがんに効くのか。ブレーキやアクセル、そのものがあっても実際リンパ球ががんを認識しないとどうしようもないわけで、がんを認識するリンパ球があって初めてブレーキやアクセルが役に立つことになります。がんの患者さんが抗がん剤や分子標的薬で治療されると、がん細胞が破壊され、そこからがん細胞の成分、いわゆる抗原が放出されます。その抗原に反応するリンパ球が患者さんの体内で誘導され、それによってがんが殺されればいいのですが、実際にはチェックポイント分子が出ているため、ブレーキがかかり、身体の中にがんを認識するTリンパ球が存在するにもかかわらず、がんを殺すことができません。そこに、チェックポイント阻害抗体を投与すると、このリンパ球ががんを認識して殺すようになります。これが、チェックポイント抗体によるがん治療です。

ですから、がんを認識するTリンパ球の存在が免疫チェックポイント抗体による治療には必須です。がんを殺すキラーT細胞(細胞傷害性Tリンパ球、CTL)ががん局所にいれば、抗PD1抗体や抗PDL1抗体などのチェックポイント阻害抗体を投与すると、ブレーキが外れてがんを殺せるようになります。チェックポイント阻害抗体をつかっても、局所にがんを認識するリンパ球がいないと、効果はあらわれません。 もし、がんを認識するリンパ球をがん局所に動員することができれば、抗体が従来効かなかった人にも効くようになります。われわれが行っているがんワクチン療法では、がんに反応するキラーT細胞を患者さんの体内で増やします。また、次にお話しされる垣見先生のように、身体の外で、がんを認識するリンパ球を増やし患者さんに戻す方法のいずれでも、がん局所のキラーT細胞を増やすことが可能となります。

次にペプチドワクチンのイメージをお示しします。がん細胞の表面にはリンパ球に認識される抗原、すなわちがん細胞内でつくられたタンパクの断片、いわゆるペプチドが存在しています。このペプチドと同じものを化学合成して、ワクチンとして患者さんに投与します。すると、このペプチドに反応する、すなわちがんを認識するTリンパ球が体内で増え、がんの局所に移動し、がん細胞を攻撃・破壊します。これがペプチドワクチンのイメージです。 世界中でがんペプチドワクチンの研究がさかんに行われましたが、がんに高発現するペプチドを見つけて投与しても、なかなか臨床効果に結びつきませんでした。その原因は、免疫応答が誘導されるまでに時間がかかり、また誘導されても免疫のレベルが低い。その間にがんが増殖し、免疫の誘導が間に合わない。それではなんとか早く免疫誘導する方法はないか。 患者さんの体内には、がん由来の抗原が放出されており、少ないながらもがんを認識するTリンパ球はすでに存在しています。それに対応する抗原、すなわち患者さんの体内に存在する免疫メモリーに対応する抗原をワクチンとして投与することにより、より早期から高レベルの免疫応答が誘導可能になりました。 この場合、個々の患者さんにより免疫記憶は異なりますから、それぞれ異なったワクチンを投与することになります。ただし、個々の患者さんで同定した抗原でワクチンをつくるとなれば、すぐ半年以上かかり、患者さんは待てない。そこで、予め、さまざまな患者さんで、高頻度に検出できる抗原に対応したワクチンを用意しておき、その中から、それぞれの患者さんの免疫メモリーに対応したものを選ぶというワクチンを使用しています。現在治験で使われているものは12種のペプチドからなります。個々の患者さんの免疫記憶に合わせ、最大4種類を選んで投与するので、テーラーメイドワクチンと呼んでいます。

脳腫瘍の一種、膠芽腫の患者さんでこのワクチンを投与した例をお示しします。ワクチンを投与すると、腫瘍縮小が2〜3割の患者さんで認められました。この試験は進行した患者さんが対象で、生存期間の中央値は11.9か月。当時発表されていた標準療法の生存期間がだいたい7か月台なので、限られた症例数ですが、延命効果が望める有望な治療法であるという結果が得られました。そこで、私たちは、医薬品承認のための第1相治験を行った結果、がんの縮小が認められ、全生存期間の中央値も10.6か月と以前の結果とほぼ同様の結果が確認されました。現在、テモゾロミド抵抗性膠芽腫の患者さんを対象に、第3相医師主導治験が行われています。 次に前立腺がんについて、ご紹介します。前立腺がんでは、ホルモン療法が一般的で、がんはいったん小さくなるものの、そのうちホルモン療法が効かなくなるケースがしばしばあります。そういった場合、現在は異なる抗がん剤が使われていますが、当時使われていたリン酸エストラムスチン(EMP)という抗ガン剤にワクチンをアドオンする形で第2相ランダム化比較試験を実施しました。EMPだけでは、2.8カ月でがんが増大、EMP半量とワクチン併用では増悪までの期間は8.5カ月と、高い有意差をもってがんの進行を遅らせる結果が得られました。 ホルモン療法が効かなくなっても早期では抗がん剤を使用せずにステロイドを使用します。そこで、再燃早期の患者さんに対して、標準治療のステロイド群とそれにワクチンをアドオンする第2相ランダム化比較試験を実施しました。近畿大学の植村教授と慈恵医大の穎川教授との共同研究で、がん増悪までの期間は、ステロイド剤単独で203日、ワクチンのアドオンでは542日と、顕著な有意差が見られる結果が出ました。これらの結果を受けて、富士フィルムとグリーンペプタイドとの共同で第3相治験が現在進行中です。標準治療のドセタキセルという抗がん剤に抵抗性を示した前立腺がんの患者さんが対象で、詳細は富士フィルムのホームページを参照願います。2018年3月に終了予定ですが、本年6月の中間解析の結果では一定の効果が認められ、試験継続が決定しています。国内で行なわれたがんワクチン臨床試験では、中間解析の段階でドロップすることが多いなか、中間解析をクリアできたので、成功への期待をもっています。 去勢抵抗性の前立腺がんを対象としたワクチン療法中の患者のQOLの調査を行った結果では、従来治療では治療開始後QOLが定価するのが一般的ですが、がんワクチンについては、治療前と比べ、QOLの低下は認められませんでした。

以上、がんペプチドワクチンの効果をまとめると、1)腫瘍縮小は2〜3割の患者さんにしか見られないものの、従来治療に比べ1.5〜2倍の延命効果が得られること。2)稀であるが、乳がんや膀胱がんでは、完全治癒のケースもあること。3)重篤な副作用がほとんどないこと。このように、がんの進行を遅らせ、延命効果が得られ、かつ、高い生活の質(QOL)を維持したまま生活できる。これらが、がんペプチド療法の大きな特徴と言えます。 医療経済学からみたペプチドワクチンの効用ですが、生存年については、治療開始後の生存期間が、標準治療よりも1.5〜2倍に延びます。もう一つの指標QALY(質調整生存年)で見ると、新規の化学療法剤がワクチンと同じ延命効果があった場合でも、化学療法剤ではQOLの低下が予想されるのに対し、がんワクチンでは、ほとんど低下しません。したがって、生存年とQOLをかけ合わせたQALYでは、がんペプチドワクチンはかなり優位と言えます。

私たちのプロジェクトは、いまシカゴ大学に移られた中村佑輔先生とともに、2008年スーパー特区に認定されました。その翌年4月にがんワクチン外来を開設したところ、問い合わせが殺到して、大学の電話回線がパンクしてしまうほどで、想像以上に患者さんの期待が大きいことを強く感じました。未承認薬を用いた治療を自由診療で行うとはいかがなものかという意見もありましたが、臨床研究に重点をおいて今日に至っています。 ワクチンセンターでの治療は自由診療ですので、患者さんの負担は非常に大きい。そこで、なんとか負担軽減できないかと、現在の先進医療B、当時の高度医療の制度ができたとき、すぐ厚労省に赴きました。多少時間はかかりましたが、前立腺がんのドセタキセル不適格症例に対し、先進医療Bの認定を得ることができました。 がんワクチン外来開設からこれまでの受診者数は、毎月ほぼ200名超えで推移し、2年前に久留米大学にがんワクチンセンターをオープンしてからは、毎月300〜400人の患者さんが通院されておられます。これまでに受診された3,000名の患者さんの半数強は、九州圏内からですが、残りの半数は北海道から沖縄にいたるまで日本全国から、さらには、中国、台湾、韓国、タイなど海外からの患者さんもおられ、がんペプチドワクチン療法に対する患者さんの期待はきわめて大きいことがうかがわれます。

免疫細胞療法臨床試験の現場から

東京大学医学部附属病院 免疫細胞治療学講座 特任教授 垣見和宏先生【講演資料

【講演要旨】  

私の研究室は東大病院・中央診療棟の9階にあります。特徴は、細胞を調整するCPC(細胞培養センター)、隣に外来の診察室、それと研究室を1か所に集めており、こういう施設はおそらく私たちのところだけだと思います。世界中の先生方も珍しいようで、がんばれと応援していただいています。私自身の部屋はないので、診察室に陣取っています。患者さんを診察して、患者さんの治療をして、採血をさせていただき、隣の研究室で患者さんにどんなことがおきているのか確認できる。狭いながらも非常に恵まれた環境です。

免疫細胞治療はどういうものかというと、細胞性免疫応答を基盤とした治療で、山田先生がお話しになったように、抗原を入れて、がん免疫を誘導して、がんを攻撃させようというワクチン治療ともども、がんと闘っているリンパ球を身体から取り出して、いっぱい増やしてもう一回闘わせようというものです。東大病院で、ワクチン治療の臨床試験や樹状細胞をつかったワクチン研究をしてきました。細胞は、γδという細胞をつかって一生懸命やってきたが、せいぜい小さな波でした。免疫チェックポイント阻害剤というとんでもない波のおかげで、免疫療法が、がんの治療に役に立つことがはっきりして、世の中が認めてくださるようになりました。

私たちがおこなっている細胞治療では、γδT細胞というリンパ球をつかいますが、末梢血中に5%くらい存在し、コレステロール代謝などの代謝物を敏感に認識して、正常細胞とがん細胞を見分けて攻撃します。IPPという分子は、正常細胞よりがん細胞におおく、このリンパ球はそういうものを認識して攻撃するのです。がん細胞とγδT細胞を一緒に培養すると、がん細胞の表面にγδT細胞がくっついて、がん細胞を攻撃します。実は、このγδT細胞の増殖というのは、非常に簡単で、IL2というリンパ球の増殖因子とノバルティスのゾメタという薬を入れてやると、1週間か2週間で増え、これを治療に使います。 まず、患者さんから7.5cc採血し、リンパ球が増えるかどうかを確認します。健康な方はたいてい増えるのですが、患者さんの場合、抗がん剤をかなり使われていたりして、リンパ球が増えない方もいらっしゃいます。培養に使えることになれば、4L、5Lの血液中のリンパ球をいただき、凍結保存して、CPCに持ち込み、治療に合わせて解凍して培養を開始します。

この患者さんの場合、培養前のγδT細胞は、末梢血リンパ球の1.6%です。培養刺激を開始すると、90何%の細胞は関係ないので、どんどん消滅していき、その中でγδT細胞だけが選択的に活性化して、元気な細胞の塊が見え始めてきます。14日目には、93.8%がγδになった。だいたい10の6乗の数の細胞からスタートすると、10の9乗個の細胞数まで増やします。細胞の品質を見るために、フローサイトメーターを用いて細胞表面の活性化マーカーを確認してから患者さんに投与していくのです。 私たちは、こういう治療法で、最初に肺がんの患者さんに対する臨床試験を行いました。現在は、第1相試験を踏まえて、第2相試験を実施中で、先進医療Bが適用されています。手術適用外の患者さんは、1stライン、2ndラインを終えた方、最近は分子標的薬も出て、3rdライン、4thラインが終わった患者さんもエントリーされることの方が多くなりました。手術の場合も、手術後の再発とCDDP(シスプラチン)を含む化学療法をやった後に治療を受けていただきます。第1相試験は、安全を確かめながら、1回目2回目の投与時には、少量の細胞から投与を開始して、安全が確認されたら、3回目からしっかりした細胞数を投与すると、γδT細胞が患者さんの体内で蓄積し始めました。最初の5人の患者さんのグループには慎重に投与し、安全が確認された後は、患者さんには初めからフルドースで投与しました。患者さんの末梢血中のリンパ球でみると、投与したγδT細胞が蓄積していて、刺激に反応してインタフェロンγを産生する能力を保っていました。投与した患者さんをみると、残念ながらがんが消えた患者さんはいらっしゃらず、ほぼSD(不変)かPD(進行)でした。Soluble MICAという分子が出ている患者さんはSDの中にはおらず。PDの方が多かった。これをバイオマーカーにできないかなどといろいろ学びました。 また、投与したγδT細胞が肺がんの局所に浸潤して闘ったのかを確認したかったのですが、なかなか肺がんが再発した患者さんのBiopsyはむずかしい。そこで、別の臨床試験で、胃がんのがん性腹膜炎の患者さんにたまった腹水に直接γδT細胞を投与しました。腹水中にたくさんのがん細胞が存在します。そこにγδT細胞を投与すると、γδT細胞ががん細胞を認識して、攻撃したことを示すインタフェロンγの値が上昇しました。また、がん細胞の周りにたくさんのγδT細胞がくっついて攻撃しているところを顕微鏡で観察できました。がん細胞のところにたどり着きさえすれば、がんと闘うことができると手ごたえを感じたのです。真っ赤に出血していた腹水が、3回投与したら、出血が止まり、腹水で分厚かったお腹がへこみ、患者さんは歩いて帰れるようになった。こうして、γδT細胞は、がん細胞を認識して、抗腫瘍作用を発揮する能力を持っていることがわかりました。また、腎臓がんの患者さんの組織をもらってきて、凍結保存し、溶かしてタンパク質をつくり、腫瘍溶解液のライセートを患者さんの樹状細胞に入れ、腫瘍細胞を目印にしたワクチンをつくると、転移したところが消えたり、リンパ球が反応したりする例が見られました。これは、時代遅れではと言われながらも、実は一番新しいものをやっているのだと密かに思っていました。その理由は、今話題のNeo Antigenのことを想定していたからです。

がん免疫治療のもうひとつ、新しい波の話です。がん細胞の中には、遺伝子変異に伴う変異タンパク質がたくさんあり、実はそれが一番良い抗原じゃないかということが、チェックポイント分子の研究からもわかっています。がん細胞の中では、遺伝子配列の塩基が変わり、実はそれは今まで身体の中で存在しなかった新しい標的ということで、Neo Antigenという名がついています。最近、チェックポイント分子の臨床試験の論文にも出てきます。次世代シークエンサーのおかげで、腫瘍の遺伝子、正常な遺伝子が全部わかるようになってきた。がん細胞で起こった遺伝子変異によってアミノ酸が変わった抗原のことをNeo Antigenというわけです。やっかいなのは、一人ひとりの患者さんで遺伝子変異が異なり、がん患者さんに共通して使えるという抗原ではなく、患者さん毎の個別のものになってきたのです。

今年のサイエンスで、”Personalized Cancer Vaccine”として、これからのワクチンはこうなりますよ。腫瘍サンプルを採り、遺伝子変異を見て、その中のNeo Antigenを見て、ワクチンを投与する。こういう時代がくると取り上げられたのです。私たちはなかなかそこまで行けなかった。実は、腫瘍ライセートに何が溶けていたかわからなかったものが、次世代シークエンサーの技術でわかるようになった。一人一人の患者さんにおいて、DNAの配列からどこに遺伝子変異が起こったか確認する。さらにRNAを確認して、遺伝子発現を確認して、変異を含むがん抗原(Neo Antigen)を免疫治療に用いる時代が近づいてきています。

以上

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