がん免疫療法への期待と関心が大きく広がっています。 最も大きな理由は、最近の国内外での発表に見られるように、いくつかの がんに対するはっきりした臨床的効果が認められることです。事実、これまで 治療法が極めて限られていたメラノーマ(悪性黒色腫)に対して劇的な効果が 認められ、日本および欧米において最近薬事承認されました。
また米国では肺癌に対しても今年の春薬事承認され、遠からず日本でも薬事 承認されることが期待されています。さらに、その他いくつかのがんに対しての 顕著な効果が報告されています。まさに免疫療法が、がんに対する第四の治療法 となることの幕開けが始まっています。
このような背景の中、今回「がん免疫療法」を主題としてその具体的な素晴らしさ、 医療現場の変化と期待、今後のさらなる開発研究のためのTR(橋渡し研究)の 課題等につき、4回シリーズでセミナーと討論、そして交流の会を開くことに いたしました。その第一回目といたしまして、下記を開催いたします。 皆様のご参加をお待ちしております。
日時:2015年8月17日(月)18時00分〜20時00分
場所:東京大学医科学研究所 1号館 講堂
東京大学医科学研究所へのアクセスおよびキャンパス・マップは下記サイトをご参照ください。
http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/access/access/
http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/access/campus/ (地図の9番の建物の正面入口を入って左側です)
会費: ¥1,000 (NPO健康医療開発機構会員、学生は無料)
定員: 150名
交流会:20時より (参加費:3000円)
場所:医科研近辺(未定)
参加ご希望の方は事務局sanka@tr-networks.orgまでご連絡下さい。
講演1:「なぜ免疫なのか?そして何が変わって来たのか?」
慶応義塾大学医学部 先端医科学研究所 細胞情報研究部門 教授 河上 裕 先生
講演2:「メラノーマ臨床へのインパクト」
国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科 科長 山ア 直也 先生
○更に第二回目以降は以下のテーマで開催する予定です。(日時、場所未定)
2回目 医療現場でのがん免疫療法はいま?
3回目 今後の速やかな開発推進のために
4回目 真に産官学民連携を進めるためには?
河上 裕 (かわかみ ゆたか) 先生
1980年慶應義塾大学医学部卒業、同内科学教室、国立大蔵病院内科、南フロリダ大学免疫学教室、カリフォルニア工科大学生物学教室、NIH 国立がん研究所外科を経て、 1997年慶應義塾大学医学部先端医科学研究所教授、2005年同所長、2014年日本医学会連合研究倫理委員会委員長、2015年慶應義塾大学医学研究科委員長、2015年日本がん免疫学会理事長
研究テーマは「疾患の免疫制御」、卒業当時に魅せられた「がん」と「免疫」の研究にかかわる血液感染リウマチ内科に入局し、今は、がんの免疫制御を中心に研究を進めています。
山ア 直也(やまざき なおや) 先生
1985年3月岐阜大学医学部卒業。岐阜大学医学部皮膚科学教室入局後、1987年国立がんセンターレジデント、1990年国立がんセンターがん専門修練医、1992年国立がんセンター中央病院皮膚科医員、 2003年4月国立がんセンター中央病院遺伝子免疫療法室医長、2005年5月国立がんセンター中央病院皮膚科医長、2010年6月より病院名および組織変更に伴い、国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科科長として現在に至る。
また、日本皮膚悪性腫瘍学会理事、日本癌治療学会代議員、日本皮膚外科学合評議員、日本バイオセラピィ学会評議員を務めている。