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事務局ニュース【NO.2009-045】

【シンポジウム「再生医療ー医療化へのロードマップ」開催報告】

 2009年3月15日(日)午後、学術総合センターにおいてシンポジウム「再生医療ー医療化へのロードマップ」が開催されました。

本シンポジウムは、21世紀の新しい治療分野を切り開くことが大きく期待される「再生医療」をテーマに取り上げました。最近の「iPS」(多能性幹細胞)を中心とするホットな関心にも認められる如く「再生医療」に対する期待は大きなものとなっています。

事実、今回の特別講演にお願いした先生方のお仕事を含め、先導的臨床研究では実用化の可能性を強く示唆する成果を出しつつあるものが見られます。これらの成果を一日も早く病める人々のもとに届けることは私共皆の望むところです。

一方では、この様な新しい治療法の安全性や効果の評価の手法とその確立や、将来的な医療現場での治療の実施方法や位置付け、用いる細胞の調整システムの整備と確立、必要経費の負担等極めて多くの不確定要因が存在しています。

現実にこれら新しい治療法の開発や将来的な調整細胞の供給には、企業の積極的な参入が不可欠です。残念なことに「再生医療」を取り囲む多くの不確定要因は、既存の企業参入に大きなブレーキをかけ続けています。又、日本でも起ち上げられた多くのアカデミアベンチャーも分野の先行きの不透明さ、長い開発時間と限られた資金の中で、開発の勢いが低下しつつあります。

これらの背景のもとで、本シンポジウムでは、「再生医学」の医療化、産業化のロードマップを多角的な視野の中で具体的に描くことを目的といたしました。

武藤徹一郎理事長による挨拶に続き東北大学の西田幸二先生、大阪大学の澤芳樹先生、米国ベイラー大学の松本慎一先生による細胞再生医療に関する特別講演、休憩をはさんで、増田智子(日経BP社日経バイオテク記者)、畑中暢代(膵島移植コーディネータ・看護師)、田村知明(オリンパス株式会社再生医療グループリーダー)、大須賀俊浩(株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング専務取締役)、菱山豊(文部科学省研究振興局ライフサイエンス課長)、佐藤大作(厚生労働省医薬食品局安全対策課課長補佐)、倉田健児(経済産業省生物化学産業課長)の各先生によるプレゼンテーション及びディスカッションが珠玖洋先生(三重大学教授/NPO健康医療開発機構理事)の司会で行われました。

 

【理事長挨拶】

 

 武藤徹一郎氏(癌研有明病院・名誉院長、メディカルディレクター)

【特別講演】




西田幸二氏 (東北大学大学院・教授)

「角膜再生医療の実用化」

患者の口腔粘膜からの再生角膜移植に世界で初めて成功。

多数の非常に高い率の成功例を持っています。

 

澤芳樹氏(大阪大学医学部未来医療センター長)

「重症心不全に対する心筋再生治療」

患者の筋肉細胞からつくった細胞シートによる心筋再生医療に世界で初めて成功し、

大きな期待を背負っています。

 

松本慎一氏(ベイラー大学(米国テキサス州))

「膵島移植 -探索医療から標準治療へのStrategy- 」

世界で初めて生体ドナーからの膵島移植に成功。

その技術改善と普及に全力を傾倒中です。

 

【パネリスト&パネルディスカッション】

コーディネータの珠玖 洋氏 (三重大学医学部教授)

がんの免疫療法の開発と臨床研究のパイオニア。

再生医療の医療化ロードマップを、特別講演者と以下のパネリストと共に描きます。

増田智子氏[講演資料]

(日経BP社 日経バイオテク記者)

畑中暢代氏[講演資料]

(膵島移植コーディネーター・看護師)

田村知明氏

(オリンパス株式会社 再生医療グループリーダー)

大須賀俊裕氏

(株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング専務取締役)

菱山豊氏[講演資料]

(文部科学省 研究振興局ライフサイエンス課長)

佐藤大作氏[講演資料]

(厚生労働省 医薬食品局安全対策課 課長補佐)

倉田健児氏[講演資料] 

(経済産業省 生物化学産業課長)

全体のパネルディスカッションの様子

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