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事務局ニュース【NO.2008-021】

第1回 21世紀漢方フォーラム「生薬資源を考える」のご案内

申し込み締め切りました。ご応募ありがとうございました。

慶應義塾大学における漢方医学センターの発足ならびにNPO健康医療開発機構における活動として「漢方」を今年度から開始することを機会に21世紀漢方フォーラムを開催する運びとなりました。

まず第1回目のテーマは「生薬資源を考える」です。 現在医療用として流通している漢方生薬の9割は海外からの輸入であり、自給率は10パーセントに過ぎません。そのうちのほとんどが中国からの輸入です。従来は国内でもかなり生産されていましたが、人件費が高いこと、農村の高齢化などにより中国への依存度が高くなっております。

しかしながら近年の中国経済の発展ならびに為替の変動により生薬の価格が高騰しております。その一方で、生薬・漢方製剤の価格は薬価改定のたびに引き下げられ、主要漢方製剤メーカーは逆ザヤの製品を販売せざるを得ない状況に追い込まれております。

最近これに追い討ちをかけるような事態が2つ起こりました。一つは食の安全問題がクローズアップされておりますが、生薬の安全性の担保のためにはさらなる検査費用が嵩みます。もう一つは四川省の大地震です。四川省は食の宝庫であるばかりでなく、生薬の宝庫でもあります。今回の地震がどのような影響を与えるのかについては全く予測がつきませんが、価格や資源確保に影響を与えかねない事態と憂慮されます。

漢方・生薬製剤のみならず中国の生薬資源は他の医薬品や食品にも大きな影響を与えます。例えば甘草は日本において慢性肝炎患者さんに幅広く用いられている強力ミノファーゲンCの原料であり、甘味料などとして重要な生薬です。しかしながら甘草は内モンゴルで取れる野生品が主であり、生活のために乱獲した結果、砂漠化が進み、収穫量は激減しております。

このような事実はほとんど知られていない現状ですが、もはや看過できない時期に来ております。 そこで関係各処において現状分析を行い緊急の対策を練る必要があると考え、緊急フォーラム「生薬資源を考える」を企画いたしました。 情報の共有、今後の対策について忌憚のない意見交換を非公式に行いたいと思います。 ご多忙とは存じますが、万障お繰り合わせの上ご参加下さいますようご案内申し上げます。

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慶應義塾大学医学部漢方医学センター・健康医療開発機構・日中産学官交流機構 共催

第1回21世紀漢方フォーラム「生薬資源を考える」

日 時: 2008年7月18日(金)午後6時半〜8時半

場 所: 慶應義塾大学医学部(信濃町)新教育研究棟2階講堂1 (http://www.sc.keio.ac.jp/campus.html

プ ロ グ ラ ム

  1. 基調講演T: 米田該典 (日本東洋医学会副会長・生薬原料調査委員会委員長) 「生薬資源の現状と将来展望」
  2. 基調講演U: 浅間宏志(日本漢方生薬製剤協会 生薬委員長)「漢方生薬の流通についての問題点と将来展望」
  3. 基調講演V: 姜東孝(株式会社 栃本天海堂)「海外からの生薬調達の問題と国内生産への取り組み」

パネルディスカッション

進 行: 渡辺賢治(慶應義塾大学医学部漢方医学センター・センター長), 宮野悟(東京大学医科学研究所教授)

参加ご希望の方は健康医療開発機構事務局jimu@tr-networks.orgまでご連絡下さい。

ご案内送付先:農林水産省、経済産業省、厚生労働省、外務省、日本漢方生薬製剤協会、日本製薬協、国立衛生試験所、日本東洋医学会

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