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【第3回健康医療ネットワークセミナー開催報告】

東京大学医科学研究所の田中祐次先生は、血液内科の医師です。主に白血病の患者を診てきました。その経験から患者、患者家族のためにメール相談を始めました。また院内患者会の設立にも積極的に関わってきました。医療者、患者、患者家族とのよりよいコミュニケーションのための「患者学」の確立を目指しています。

・ 自己紹介



・ 死とは。大部屋にいる患者は、同じ治療をしている同室の患者が死ぬことで自分も死ぬことを知る。忘れないで欲しい。




・ 病気の治療は、かってはnarative basedであったのが、病気の原因が解明されるにつれ evidence basedになっていった。その結果として、さらに遺伝子、細胞など原因究明が優先され患者自身の全てを見るということが希薄になっていった。


・ 医療者、患者、患者家族の情報格差





・ 患者会にはいくつかの種類があり、医療者と対峙する会、医療者と交流する会、医療者と情報交換する会などに分けられる。



・ 院内患者会は、退院患者と入院患者を結ぶもので、院内患者会世話人連絡協議会が実際の運営のお手伝いをしている。





・ 院内患者会には退院患者の参加は多いが、入院患者の参加が少ないのが問題。
・ 病院でのコミュニケーションの問題が大きい。医療者と患者、患者家族の間の情報格差があり、ファシリテーターの存在が必要。


・ 患者会セミナー



・ 医療者も患者、患者家族の話を聞くことにより、コミュニケーションが取りやすくなる。



・ 「患者学」とは、「思い」を科学すること。



・ 患者、患者家族、医療者のそれぞれの思いを情報学のツールを使ってデータマイニングする。



・ 暗黙知の形式知化。インタビュー。



・ キーワードの抽出


・ 患者学の今後


・ 日本医療教授システム学会。知っている vs 問題を解決する。



・ 国民と医療者が共に築く新しい医療文化「ヘルスケア@コミュニティ」事業


<田中祐次先生略歴>

1970年 生まれ
1994年 徳島大学卒業
東大内科研修
1996年 都立駒込病院血液内科非常勤医師
1997年 東京大学大学院(血液腫瘍内科)
2000年 患者会「ももの木」設立 ( http://plaza.umin.ac.jp/~momo/)
2001年 都立駒込病院血液内科常勤医
2003年 NPO血液患者コミュニティももの木設立
2003年 Duke大学研究員
2006年 東京大学医科学研究所